歯ぎしり・食いしばりが
ひどい方へ
歯ぎしり・食いしばりは歯の寿命を縮めるリスクがあります。
歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎に大きな負担をかける習慣で、歯の寿命を縮めるリスクがあります。これらの行為は、通常の食事や会話とは異なり、お口の機能に役立つものではなく、非機能的な歯の接触です。歯ぎしり(グラインディング)は、就寝中に無意識のうちに行われることが多く、食いしばり(クレンチング)は、日中にも見られることがあります。どちらの行為も歯や顎に深刻なダメージを与える可能性があり、早めの対策が求められます。
歯ぎしりの種類
グラインディング
上下の歯を「ギリギリ」とこすり合わせる行為です。この動作は、歯をすり減らし、歯の表面が摩耗する原因となります。歯の摩耗が進むと、歯の高さが低くなり、咬合(かみ合わせ)に悪影響を与えるほか、歯のチップや治療歯(詰め物や被せ物)が脱落するリスクも高まります。
タッピング
上下の歯をカチカチと合わせるタッピングは、歯に強い衝撃を与える行為です。これによって歯がチップしたり、詰め物が外れたりすることがあります。さらに、歯周組織に負担がかかり、歯茎や歯根にも影響を与えることがあります。
クレンチング
歯をギューッと強く噛みしめるクレンチングは、歯や顎の関節に大きな負荷をかけます。この結果、顎関節症や顔面痛、さらには肩こりや首こりといった全身の不調が生じることがあります。クレンチングは、特にストレスが原因で起こることが多く、日常的に無意識に行われることが多い習慣です。
歯ぎしり・食いしばりの
改善方法
マウスピースの作製「スプリント療法」
スプリント療法とは、夜間にマウスピースを装着することで、歯ぎしりや食いしばりの影響を軽減する方法です。マウスピースは歯を守る役割を果たし、歯ぎしりによる摩耗や破損を防止することができます。また、歯ぎしりによる噛む力が歯列全体に分散されるため、顎や歯茎への負担も軽減されます。マウスピースは就寝中に装着することが一般的ですが、初めて装着する際には違和感を覚えることがあるかもしれません。ただし、使用を続けることで徐々に慣れていきます。なお、スプリント療法は歯ぎしりや食いしばりの根本的な解決にはならないため、日常生活でストレスを溜めないように心がけることも重要です。
歯科医院で作製するものと
市販品の違い
マウスピースは市販品と歯科医院で作るものの2種類がありますが、それぞれに違いがあります。市販のマウスピースは、お湯で柔らかくして歯に合わせる簡易なタイプが多く、手軽に使用できるのが特徴です。しかし、適合性が低く、装着時の違和感が強いことがデメリットです。一方、歯科医院で作るマウスピースは、患者様の歯型に合わせて作製されるため、適合性が非常に高く、フィット感が良いのが特徴です。特に、歯ぎしりや食いしばりが原因で顎や歯に深刻な影響が出ている場合には、歯科医院でのマウスピース作製が推奨されます。
矯正歯科治療
かみ合わせが悪いことが歯ぎしりや食いしばりの原因である場合、矯正治療を検討します。かみ合わせの問題は、特に奥歯のかみ合わせに影響を与えやすいため、部分矯正ではなく、全体的な矯正治療が推奨されます。(精密検査の結果、判断いたします。)矯正治療を行うことで、歯や顎関節にかかる負担が軽減され、長期的には歯や顎の健康を守ることができます。矯正治療は、時間と費用がかかる場合がありますが、将来的な歯の摩耗や関節症のリスクを軽減するためには有効な選択肢です。
スポーツマウスピース
スポーツをする際には、歯や顎に強い衝撃が加わることがあり、特にコンタクトスポーツでは外傷のリスクが高まります。スポーツマウスピースは、このような衝撃から歯や顎を守るために作られた専用の装置で、特に格闘技やラグビー、サッカーなどの激しいスポーツでは必須とされています。
オーダーメイドの
スポーツマウスピースが
おすすめです!
市販のスポーツマウスピースも販売されていますが、適合性や耐久性が劣ることが多く、衝撃から十分に歯や顎を守ることができない場合があります。また、しっかりと噛み締めることができないため、スポーツ中にずれたり外れたりしてしまうリスクもあります。そのため、歯科医院で作製されるオーダーメイドのスポーツマウスピースを使用することが推奨されます。オーダーメイドのマウスピースは、患者様のお口にぴったりとフィットし、衝撃からの保護効果が高いだけでなく、正しい噛み合わせをサポートします。これにより、歯や顎をしっかりと守ることができ、スポーツパフォーマンスの向上にもつながります。
スポーツマウスピースの注意点
スポーツマウスピースは、一度作製すれば長期間使用できるというわけではありません。特に格闘技などの激しいスポーツでは、1シーズン持たないこともあります。通常、ラグビーやサッカーでは1シーズン程度は持ちますが、空手やボクシングなどの激しいコンタクトスポーツでは、より頻繁に交換が必要です。また、使用後のメインテナンスも重要です。マウスピースは使用前後に水ですすぎ洗いを行い、清潔な状態を保つことが大切です。使用後は通気性の良いケースに保管し、直射日光や高温になる場所に置かないように注意しましょう。変形を防ぐため、マウスピースを熱湯で洗ったり、熱い表面に置いたりすることは避けるべきです。さらに、定期的に歯科医院でマウスピースのチェックを行い、摩耗や破損がないかを確認することが大切です。マウスピースの寿命を延ばし、しっかりとした保護機能を維持することができます。